Topマーケティング コラムインフォマーシャルとは?通常CMとの違い・種類・最新活用事例をわかりやすく解説

インフォマーシャルとは?通常CMとの違い・種類・最新活用事例をわかりやすく解説

この記事で分かること

インフォマーシャルの基本と通常CMとの違い

番組型・キャラバン型の特徴と使い分け

購買行動を促す広告設計の考え方

ブランディング活用など最新の事例と可能性

テレビをつけていると、健康食品や化粧品の特長を詳しく紹介しながら、画面に注文用の電話番号やQRコードが表示される長尺のCMを目にする機会があるはずです。あの映像コンテンツが「インフォマーシャル」と呼ばれる広告手法です。

インフォマーシャルは、通販企業がテレビ視聴者に直接注文を促すための手法として長く活用されてきましたが、近年ではその活用領域が大きく広がりつつあります。本記事では、インフォマーシャルの基本的な定義と通常のスポットCMとの違い、番組型やキャラバン型といった種類の特徴、そして通販目的にとどまらないブランディング活用の最新事例までを体系的に解説します。

インフォマーシャルの定義|「情報」と「広告」を融合した長尺テレビCM

インフォマーシャルは、「情報」を意味する「インフォメーション(information)」と「広告」を意味する「コマーシャル(commercial)」を組み合わせた造語で、60秒以上の長尺テレビCMを指します。尺の長さは60秒、90秒、120秒といった短尺のものから、5分、29分、さらには1時間近いものまで幅広く存在し、商品やサービスの特長を映像と音声で詳しく伝えながら、視聴者の購買意欲を喚起して直接的な注文や問い合わせにつなげることを主な目的として制作されます。

スポットCMとの本質的な違い|「認知」から「行動」へ

インフォマーシャルと一般的なスポットCM(15秒・30秒)の最も本質的な違いは、広告の目的にあります。

スポットCM
短い尺の中でブランド名や商品イメージを視聴者の記憶に刷り込み、認知度を向上させることを主な目的としています。視聴者がその場で購買行動を起こすことは想定しておらず、店頭やECサイトでの「指名買い」につなげるための布石となる広告です。

インフォマーシャル
視聴者に購入や問い合わせという「具体的な行動(コンバージョン)」を起こしてもらうことを最大化するために設計されます。長い尺を活用して商品の背景にある課題(悩み)の提示、商品の特長や使用感の詳細な説明、利用者の声や専門家の推薦、そして期間限定の価格や特典の提示といった情報を段階的に構成し、視聴者を「興味 → 理解 → 納得 → 注文」というプロセスへと自然に導いていきます。

インフォマーシャルが多く活用される業種と商品

インフォマーシャルが特に多く活用されているのは、健康食品、化粧品、サプリメント、美容機器、寝具、家電といった、消費者が購入前に詳細な情報を求める傾向の強い商品カテゴリです。これらの商品は、15秒や30秒のスポットCMでは伝えきれない効果の実感や使用方法、他社製品との違いを映像で丁寧に説明する必要があり、長尺のインフォマーシャルとの親和性が極めて高いのです。

通信販売を主軸とする企業にとって、インフォマーシャルはテレビというマスメディアの到達力と、ダイレクトレスポンス広告としてのコンバージョン獲得機能を兼ね備えた、独自のポジションを持つ広告手法として機能しています。

インフォマーシャルの種類|番組型とキャラバン型の特徴と使い分け

インフォマーシャルは、制作・放映の形式によって大きく「番組型」と「キャラバン型」の2つに分類されます。それぞれの特徴を理解したうえで、自社の目的や予算に合った形式を選定することが、インフォマーシャルを効果的に活用するための第一歩です。

番組型インフォマーシャル|自然な視聴体験の中で購買意欲を喚起する

番組型インフォマーシャル
健康情報番組、旅番組、料理番組といった通常のテレビ番組と一体化した構成で制作されるのが特徴です。視聴者にとっては番組を見ているような自然な視聴体験の中で、商品やサービスの情報が段階的に紹介されるため、広告に対する心理的な抵抗感が軽減されやすいという利点があります。

1社が単独でスポンサーとなり、企画の方向性や出演者、構成を自社の訴求戦略に合わせてコントロールできるため、ブランドの世界観を一貫して表現しやすい形式です。その分、制作費用はキャラバン型と比較して高くなる傾向があります。

キャラバン型インフォマーシャル|複数企業が協賛するテレビショッピング形式

キャラバン型インフォマーシャル
複数の企業が協賛スポンサーとなって制作するテレビショッピング形式の番組です。「キャラバン」という名称は、もともとイスラム地方の隊商(キャラバン)を指す言葉に由来しており、複数の企業が協力して番組を構成し、テレビ局や放送枠を横断的に展開していく様子を表しています。

番組内では、司会者とゲストの掛け合いを通じて複数の協賛企業の商品が順番に紹介され、視聴者が抱くであろう疑問をその場で解消していくライブ感のある構成が特徴です。1社あたりの制作費負担が番組型よりも軽くなるため、インフォマーシャルへの参入障壁を下げたい企業や、テストマーケティングとして初めてテレビ通販を試みる場合に選ばれることが多い形式です。

番組型とキャラバン型の投下量に見られる興味深い傾向

番組型とキャラバン型のインフォマーシャルには、テレビ業界の現場で経験的に知られている興味深い傾向があります。番組型インフォマーシャルの投下量が増加する時期にはキャラバン型の投下量が減少し、逆にキャラバン型が多く投下されている時期には番組型が減少するという、いわば「シーソー」のような関係が観察されているのです。

この傾向の背景には、広告主側の予算配分の変動や、視聴者の反応パターンの変化が影響していると考えられます。同じ形式のインフォマーシャルが集中して投下されると視聴者の目に慣れが生じ、新鮮味が薄れることで反響率が低下する場合があります。そのため、市場全体として見ると、ある形式への集中と、別の形式へのシフトが交互に起きる傾向が生まれるのです。

通販だけではない|ブランディング目的で広がるインフォマーシャルの最新活用事例

インフォマーシャルは従来、通販企業が「注文獲得」を目的として活用する広告手法という認識が一般的でした。しかし近年、直接的な注文獲得ではなく、「企業ブランドの浸透・認知拡大」を主目的としたインフォマーシャルの活用事例が登場しています。ここでは、2025年末から2026年にかけて発表された2つの注目すべき事例を紹介します。

事例①|セシール──リブランディングの浸透を目的とした自社初のインフォマーシャル

総合通信販売事業を展開する株式会社セシールは、2026年3月1日より自社初となるインフォマーシャルの放映を開始しました。同社は企業ブランドの刷新に伴い、新たなブランドメッセージ「心地いいに、ときめく。」を策定しています。今回のインフォマーシャルは、このリブランディングの浸透と認知拡大を最大の目的として制作されたものです。

同社が公表した放映の目的は、テレビの訴求力を通じた刷新ブランドの認知向上、商品開発に込めた想いやこだわりの映像による伝達、そしてブランドメッセージが象徴する企業姿勢のビジュアルを通じた定着という3点に整理されています。放映波種はBS(全国)、地上波(東京エリア、岡山・香川エリア)、CS(全国)と幅広く設定されており、CM尺も29分と120秒の2種類が用意されています。

注目すべきは、通販企業であるセシールがインフォマーシャルの目的を「直接的な注文獲得」ではなく「ブランドの浸透と認知」に置いている点です。放映記念商品として自社のオリジナルパジャマやソックスを特別価格で販売する施策は展開されていますが、インフォマーシャル全体の設計思想はあくまでブランディングに比重が置かれています。

事例②|三機工業──創立100周年を機に企業姿勢を伝える2本のインフォマーシャル

空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備など幅広い分野で総合設備建設事業を展開する三機工業株式会社は、2025年12月に創立100周年を機として制作した2本のインフォマーシャルを公開しました。

1本目の「人に快適を。地球に最適を。」編(60秒/120秒)は、同社が展開する幅広い事業を通じた環境や社会への貢献、企業姿勢、目指すべき未来を、社員の想いとともに伝える内容です。2本目の「南極日誌」編(120秒)は、同社が30年以上にわたり南極地域観測隊に携わってきた実績を、実際の映像や写真を用いて日誌風にまとめた作品で、これまで計22名の従業員を派遣してきた三機工業ならではの特色を打ち出しています。

この事例が特に興味深いのは、三機工業がBtoBの設備建設会社であり、一般消費者に対して商品を直接販売する企業ではないという点です。インフォマーシャルの目的は明確に「企業の認知度向上とブランドイメージの形成」に設定されており、通販におけるレスポンス獲得とは完全に異なる活用方法です。

2つの事例が示すインフォマーシャルの新たな可能性

セシールと三機工業の事例に共通しているのは、インフォマーシャルの長尺という特性を「商品を売るための時間」としてではなく、「企業の姿勢や価値観を深く伝えるための時間」として活用している点です。15秒や30秒のスポットCMでは伝えきれない企業のストーリー、ブランドメッセージの背景にある思想、社員の声や活動実績といった情報を、映像の力を借りて丁寧に構成できるのは、長尺のインフォマーシャルだからこそ実現できる表現です。

この流れは、インフォマーシャルが「通販の注文獲得ツール」から「企業のブランドコミュニケーションツール」へと活用領域を拡張しつつあることを示しており、今後も様々な業種での活用が広がる可能性を示唆しています。

まとめ|インフォマーシャルは「売る」だけでなく「伝える」広告手法へ進化している

インフォマーシャルは、「インフォメーション」と「コマーシャル」を融合した長尺テレビCMであり、視聴者の購買行動を直接促すダイレクトレスポンス広告として、通販業界を中心に確固たる地位を築いてきました。番組型とキャラバン型という2つの主要な形式は、それぞれ異なる特徴と強みを持ち、企業の目的や予算に応じて使い分けられています。

そして近年、セシールや三機工業のようにブランディングを主目的としたインフォマーシャルの活用が広がり始めたことは、この広告手法が新たな進化の段階に入りつつあることを物語っています。長尺映像の持つ「深く伝える力」は、商品の購入促進だけでなく、企業のブランド価値や社会的な姿勢を視聴者に届けるための有力な手段としても機能し得るのです。

次回のコラムでは、インフォマーシャルを投下する「場」となるテレビメディアの現状と、特に高齢者層におけるテレビ視聴行動の実態を取り上げ、BS・CSチャンネルのインフォマーシャルCM枠がなぜ重要なのかを掘り下げます。

インフォマーシャルの企画・制作から放映までのトータルサポートに関するご相談

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株式会社東通メディア マーケティング担当草野

入社後、印刷物・Web・TVCMなど、各種メディア業務を担当。
幅広い知識を活かし、メディア部門を支える存在として業務に取り組んでいます。
好きなものは、野球(ファン歴42年)、そば(訪問件数833店舗)。
猫2匹(チャトラとクゥー / 11歳)、トカゲ(米ゾウ / 10歳)を飼っている。